日本ロック工業会 会長 和氣正雄

 

平素より格別のお引立てに預り、厚く御礼申し上げます。

 今般、(財)全国防犯協会連合会(通称「全防連」)では、既に発足しておりました通称CP認定制度の規程を一部追加改定し、平成12年7月1日付けで、耐ピッキング性能に優れた交換用シリンダーを『CP-C認定シリンダー』として認定致しました。
 同時に、防犯対策として既に認定済みのCP錠を、もう一つ新たに取り付ける方法、またはCP-C認定シリンダーへの交換、を呼び掛ける普及活動を開始致しました。
 当工業会と致しましては、これに賛同し共同歩調をとることと致します。
 同連合会では、昭和55年に「優良な住宅錠前の普及を促進し、国民の安全な生活の確保に寄与すること」を目的として、『優良住宅用開きとびら錠の型式認定に関する規程』に基づいて、錠前セット単位として、型式認定試験を経て性能を評価し、規程を満たす性能を持つ製品に対して『CPマーク』の貼付を認める『CP認定制度』を発足しておりました。この制度によって認定された錠前がいわゆる『CP認定錠』であります。
 この『CP認定制度』は、具体的に防犯性能のレベルを示すものとして、その意義は大きなものがありますが、以来、不正な解錠や錠の破壊による侵入犯罪はまださほど顕著でなく、一般社会の認識も低いままで『CP認定錠』の生産供給は低調に終始していたのが偽らざる実態でありました。
 しかしながら、近年、新聞・テレビ・週刊誌等マスコミの報道で既にご案内の通り、特殊工具を用いて不正な解錠を行う、いわゆるピッキングという手段によって侵入する犯罪が各地で急増しており、これに対して使用者側から現在使用している錠前のシリンダー部分のみを、耐ピッキング性能に優れたシリンダーへの交換要請が高まっておりました。
 このような現状から、交換に供するシリンダー単体についても、その性能について公的かつ客観的な立場から評価を受けることの必要性に迫られておりました。
 この度の『CP-C認定制度』の発足により『CP認定錠』に加え、『CP-C認定シリンダー』が防犯対策製品として登場することは、錠前業界・ロックスミス業界はもとより、関係各界ならびに一般消費者にとりましても、実情に即した対応とご評価戴けるものと考えております。
 もとより、防犯は1セットの錠前・1個のシリンダーの性能のみにて達成されるものではありません。ドア廻りのより確かな防犯対策としては、CP認定錠・CP-C認定シリンダーを使っての1ドア2ロックを強くお勧めして参りますが、社会全体としては警察行政と連携した地域社会の安全対策や向こう三軒両隣の声の掛け合いなど、一般の方々の意識高揚と日常の注意が欠かせぬものと考えます。
 当工業会と致しましては、日頃から一般社会の安全と安心を心から願っておりますだけに、この『CP-C認定制度』を高く評価し、これを受けて耐ピッキング性能をはじめとする防犯性能の高い優秀なシリンダーや錠前の開発・改良とそのPRの促進を図るとともに、(財)全国防犯協会連合会に対しては、専門的な立場から全面的な協力を惜しまぬ所存でございます。

 各位におかれましては、事情ご賢察のうえ、当工業会方針をご理解戴き、『CP認定製品』の普及にお力添えを賜りますようお願い申し上げます。


CP-C認定をうけた各社のシリンダーを紹介しています。
「CP認定制度」「CP-C認定制度」についてQ&A形式で説明しています。